もう細かいことよりも最後に

 

 俺が最後のチャンスだったのだと思う。地球はかなり痛んでいるしこれからも痛むが長い時間をかけて治癒(ちゆ)し回復にいたると思う。たとえば46億年かけてここまできたのだから46億年かけてもとの姿へ戻っていく。しかしながら、このいわば「次の地球時代」に人類は存在しない。人類はこれからごく短時間で(何十年かで)絶滅するのである。俺はこれを「何とかしよう」と思いそのためにある程度頑張ってきたが結果として「ここまで」だった。「何とか」できなかった。じゃあ、人類って何だったのだろう?最後に言わせてもらう。人類(ヒト)は、「安達憲一郎」という1個体を産むために誕生した一つの種(しゅ)であったのである。